【第4回】妊娠前からの身体づくり「プレコン」って何? いまからしておきたい、心構え・身体構え
先日の外来で、低用量ピルを飲んでいる26歳の女性から「これから先、私が妊娠前に何かしておくべきことはありますか?」と聞かれました。そこで、「プレコンセプションケア」とうい言葉を紙に書いて示し説明をしました。「プレコンセプションケア」(プレコン)とは、将来妊娠を考えるすべての女性とカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと。次世代の子供の健康にもつながるため、今注目されているヘルスケアです。
まずは、今の自分の身体と心の状態を知ることから始めます。国立成育医療研究センターのHPには、プレコンの説明やプレコンチェックシートなどが詳しく掲載されています。 例えば、痩せすぎや肥満は、不妊や妊娠・出産のリスクを高めることが知られており、痩せすぎた状態で妊娠することで、お腹の赤ちゃんが生まれてから大人になった時に、糖尿病や高血圧症などのメタボリックシンドロームになりやすいということが分かっています。妊娠時の喫煙や飲酒などのリスクを理解し、持病や家族歴についても把握し、今から生活を整えることも大切です。
現代は多様性の時代と言われ、幸せの価値観も人それぞれ。結婚するかしないか、子供を産むか産まないか、何歳で産むかなど選択肢がたくさんある一方、情報もあふれ、悩むことも多くなっています。社会的には、未婚化、晩婚化が進んでいる一方で、生物学的には女性の卵巣機能の限界は変わらず、卵子の数はどんどん減っていくため、35歳くらいからは、妊娠率や無事に赤ちゃんが生まれる率は急速に下がっていくのも事実です。人生100年時代の女性が自分らしく輝いて生きていくためには、情報を適切に活用できる能力も必要です。「先生、WEBでこんなことが書いてあったのですが、本当ですか?」などの質問もよく受けますが、WEBの個人的意見や書き込みを信頼するよりも、厚生省や公的機関などできるだけメジャーなWEBサイトからの情報を頼りにしましょう。 20代の前半の女性の15人に1人がクラミジアに感染していると言われていますが、無症状の人も多く、放置してしまうことで、卵管に炎症がおよび、将来不妊につながる可能性があるのを知っている人はどのくらいいるでしょうか。性感染症の正しい知識や風疹や子宮頸がんなどのワクチンの情報、実際のがん検診や生活習慣病のチェックについては、WEBではなく、直接婦人科医に相談するのがよいでしょう。あなたのライフプランを尊重してくれるかかりつけの産婦人科医をもつことは、その時々の適切なケアを個別に提供してくれるサポーターをつけるようなものなのです。
