【第3回】自分らしく生きる選択肢に。「ピル」を正しく理解する
女性の社会での活躍を後押しするものとして、ここ最近「ピル」が知られるようになってきました。実際、定期的に私の外来に訪れる10代、20代の女性の多くが、ピルを使用しており、修学旅行や受験のための一時的な月経移動の他、大会や合宿にベストコンディションで臨みたい女子アスリートの味方にもなっています。しかし本当のところ、まだよく分かっていない人が多いのも事実です。月経痛がひどい娘さんと一緒に外来を受診したお母さんは特に、「使って本当に大丈夫なの?」と不安そうな方が多いです。社会人になってかたピルを使い始めた患者さんからは、「こんなに楽になるなら、学生時代から使っていればよかった」と言われることも。学校生活や将来につながる受験や就活などエネルギーを注がなければならない若い世代とそのお母さん世代には、ぜひ「ピル」のことを知ってほしいと思います。
そもそも、ピルとは、女性ホルモンを含む薬のことで、含まれるホルモンの種類や量によって①低用量ピル、②中等量ピル③アフターピルの3つに分かれます。ただし、一般的に「ピル」と言えば、①の低用量ピルのことを指します。
- 低用量ピルは、本来私たちの卵巣から分泌しているエストロゲンとプロゲステロンというホルモンを外から補充することによって、脳をだまして、自分のホルモン分泌をストップさせ、排卵を抑えます。避妊の効果はもちろん、子宮内膜が薄くなることで、月経困難症の改善や子宮内膜症という病気の予防や治療にもなります。また、月経周期の安定、ニキビや肌荒れ、月経前のイライラなどにも効果を現します。
- 中等量ピルは、低用量ピルよりも、エストロゲンの含有量が多く、生理を遅らせたり、早めるなどの月経移動に使われたり、月経が来ない場合や月経が止まらないなどの場合にも使われます。
- アフターピルは避妊に失敗したり、性犯罪に巻き込まれた場合などに緊急的に妊娠を予防するための薬。エストロゲンは含まれずプロゲステロンのみを含み、排卵を遅らせたり、着床を妨害したりする作用があります。性行為から72時間以内に服用すると予防効果を発揮し、早い段階で服用するほど、高い効果があるのが特徴です。
月経で消費するエネルギーを他の大事なことに費やしたい若者世代の方は、お母さんと一緒に、産婦人科を一度受診してみてはいかがでしょうか。
