【第5回】「婦人科の内診が怖い、苦手」という人へ。 乗り越えるために知っておきたいこと
先日、大学受験前の高校3年生がお母さんと一緒に外来を訪れました。「以前から、月経の時に腹痛、頭痛、吐き気などの症状がひどかった。中学生の頃からずっと我慢していて、大学受験もあるので、勇気をふりしぼって婦人科受診した」とのことでした。できれば内診は避けたいとのことで、経腹超音波検査をしたところ、子宮内膜症の所見があったため、低用量ピルを開始しました。お母さんは、「内診をしなければならないと思って、婦人科受診には抵抗があったが、もっと早く連れてくればよかった」と話していました。
このように、他の科に比べると婦人科は受診しにくいのが事実です。「普段は人に見せないところを見られるのは恥ずかしい」「どんなことをされるのか不安だし、痛い検査はしたくない」「プライベートなことを聞かれるのはイヤ」・・・など受診を躊躇する理由はたくさんあります。婦人科では通常、性行為の経験がない方、特に小中学生などの若い方にいきなり内診を行うことはありませんが、それ以外の方でも、初診時に内診を受けることに抵抗がある場合は、医師に伝えてみてください。医師は検査が必要であれば、その必要性をきちんと説明してくれるはず。まずは、内診の代わりに、経腹超音波検査をしたり、症状や所見によっては、必要に応じてMRIや採血をする場合もあります。婦人科受診がどうしても怖いと思っている方は、まずは月経の悩みや子宮頸がんワクチンなどの相談などから受診するのもよいでしょう。医師との信頼関係ができた上で、検査の必要性を自分でしっかりと納得して内診を受ければ、余計な不安や恐怖も軽減できます。
もしいま、あなたにつらい症状があるのに受診をためらっているのであれば、どうか少しだけ勇気を出して、お近くの婦人科を訪ねてください。婦人科は決して怖いところではありません。あなたが抱えるつらい症状を和らげるために最大限の努力をします。女性特有の病気はもちろん、ホルモン変化などによる心身のちょっとした不調などに対応してくれるはず。また、症状がなくとも定期的な検診を受けることで将来の病気を予防することもできますし、不妊症、更年期障害、骨粗鬆症など、年代ごとの婦人科系の不調や病気を予防するための食事や運動のアドバイスがもらえるかもしれません。婦人科かかりつけ医は、あなた自身が、あなたらしく生き生きと前向きに人生を生きていくうえで、きっと強い味方になってくれるはずです。
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